フック角/ヒール角
主として金属加工用として一般に用いるネジ切りダイスに関する用語について規定しているネジ加工工具用語(ねじ切りダイス)において、”c)ねじ切りダイスの角”に分類されている用語のうち、『フック角』、『ヒール角』のJIS規格における定義その他について。
金属部品などのねじ加工用の工具であり、主におねじを切るのに用いるめねじ形のネジ加工工具であるネジ切りダイスの、種類(構造、機能、用途、ねじの種類、製造方法、溝の形態などによる分類)ねじ切りダイスの要素、ねじ切りダイスの角、精度などに関連する用語として、ねじ加工工具用語-第2部:ねじ切りダイス(JIS B 0176-2)において、”c)ねじ切りダイスの角”に分類されているねじ加工工具用語(ねじ切りダイス)には、以下の、『フック角』、『ヒール角』などの用語が定義されています。
ねじ加工工具用語-第2部:ねじ切りダイス(JIS B 0176-2)
⇒【c)ねじ切りダイスの角】
分類: ねじ加工工具用語(ねじ切りダイス) > c)ねじ切りダイスの角
番号: 3007
用語: フック角
定義:
軸直角断面上において、切れ刃(※1)を通る中心線とすくい面(※2)上の切れ刃とねじの谷底(※3)とを結んだ直線とがなす角、又はその中心線と切れ刃におけるすくい面の接線とがなす角。
備考:
前者をコーダルフック角(chordal hook angle)、後者をタンゼンシャルフック角(tangential hook angle)という。
フック角(コーダルフック角、タンゼンシャルフック角)
量記号(参考):
γb
対応英語(参考):
hook angle,
rake angle of curved cutting face
分類: ねじ加工工具用語(ねじ切りダイス) > c)ねじ切りダイスの角
番号: 3008
用語: ヒール角
定義:
軸直角断面上において、ヒール(※4)を通る中心線とヒールを通る切りくず穴(※5)面の接線とがなす角。
すくい角・ヒール角
量記号(参考):
γb
対応英語(参考):
heel angle
(※1)
切れ刃とは、すくい面が逃げ面につながる部分のことです。
(※2)
すくい面とは、切削を営む主体となる面のことです。
切りくずは、この面上を擦過します(下図参照)。
(※3)
谷底とは、ねじ溝の両側のフランク(山の頂と谷底とを連絡する面)を連絡する面のことです。
JIS B 0101(ねじ用語)にも規定があります。
JIS B 0101(ねじ用語)では、一般に用いるネジの”ねじ基本”及び”ねじ部品”(座金・ピン・リベットを含む。)に関する用語及びその定義について規定されています。
詳細はこちらを参照ください。
ネジ規格・用語-ねじの種類,寸法,ボルト,ナット,タップ,インチ,管用,台形ネジ,加工等
(※4)
ヒールとは、逃げ面と切りくず穴とのつなぎとなる部分のことです(下図参照)。
すくい面・ヒール
(※5)
切りくず穴とは、切りくずのたまり又は排出する穴のことです(下図参照)。
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