溶着/切りくず詰まり/試験ねじ/標準のはめあい長さ
主として金属加工用として一般に用いるネジ切りダイスに関する用語について規定しているネジ加工工具用語(ねじ切りダイス)において、”f)ねじ切りダイス一般”に分類されている用語のうち、『溶着』、『切りくず詰まり』、『試験ねじ』、『標準のはめあい長さ』のJIS規格における定義その他について。
金属部品などのねじ加工用の工具であり、主におねじを切るのに用いるめねじ形のネジ加工工具であるネジ切りダイスの、種類(構造、機能、用途、ねじの種類、製造方法、溝の形態などによる分類)ねじ切りダイスの要素、ねじ切りダイスの角、精度などに関連する用語として、ねじ加工工具用語-第2部:ねじ切りダイス(JIS B 0176-2)において、”f)ねじ切りダイス一般”に分類されているねじ加工工具用語(ねじ切りダイス)には、以下の、『溶着』、『切りくず詰まり』、『試験ねじ』、『標準のはめあい長さ』などの用語が定義されています。
ねじ加工工具用語-第2部:ねじ切りダイス(JIS B 0176-2)
⇒【f)ねじ切りダイス一般】
分類: ねじ加工工具用語(ねじ切りダイス) > f)ねじ切りダイス一般
番号: 6008
用語: 溶着
定義:
おねじ加工中に、食付き部(※1)の逃げ面、フランク(※2)、山の頂(※3)又はすくい面(※4)に被削材の一部が付着すること。
量記号(参考):
−
単位(参考):
−
対応英語(参考):
welding
分類: ねじ加工工具用語(ねじ切りダイス) > f)ねじ切りダイス一般
番号: 6009
用語: 切りくず詰まり
定義:
切削中に切りくずが排出されずに切りくず穴(※5)に詰まる状態。
量記号(参考):
−
単位(参考):
−
対応英語(参考):
chip packing
分類: ねじ加工工具用語(ねじ切りダイス) > f)ねじ切りダイス一般
番号: 6010
用語: 試験ねじ
定義:
ダイスのねじ部の精度(※6)を検査するために、そのダイスで切ったねじ。
量記号(参考):
−
単位(参考):
−
対応英語(参考):
test screw
分類: ねじ加工工具用語(ねじ切りダイス) > f)ねじ切りダイス一般
番号: 6011
用語: 標準のはめあい長さ
定義:
製品の実際のはめあい長さと関係なく、公差を算出するとき、基準とするはめあい長さ(JIS B 0101(※7) 参照)。
備考:
通りねじゲージの長さと一致させるのが普通である。
量記号(参考):
−
単位(参考):
−
対応英語(参考):
reference length of (thread) engagement
(※1)
食付き部とは、ダイスが工作物に食い付いて、切削しながらダイス自身を案内する部分のことです。
(※2)
フランクとは、山の頂と谷底とを連絡する面のことです。
軸線を含んだ断面形では一般に直線になっています。
(※3)
山の頂とは、ねじ山の両側のフランクを連結する面のことです。
(※4)
すくい面とは、切削を営む主体となる面のことです。
切りくずは、この面上を擦過します(下図参照)。
(※5)
切りくず穴とは、切りくずのたまり又は排出する穴のことです(下図参照)。
(※6)
ねじ部の精度とは、ねじ部の径の許容差及び公差、並びにピッチの許容差及び山の半角の許容差による精度のことです。
この精度は試験ねじ(ダイスのねじ部の精度を検査するために、そのダイスで切ったねじ)によって調べる。
(※7)
JIS B 0101 は、以下のJIS規格になります。
JIS B 0101
ねじ用語
この規格では、一般に用いるネジの”ねじ基本”及び”ねじ部品”(座金・ピン・リベットを含む。)に関する用語及びその定義について規定されています。
詳細はこちらを参照ください。
ネジ規格・用語-ねじの種類,寸法,ボルト,ナット,タップ,インチ,管用,台形ネジ,加工等
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