負のすくい/食付きすくい角/逃げ角
主として金属切削用として一般に用いるリーマに関する用語について規定しているリーマ用語において、”c)リーマの角度”に分類されている用語のうち、『負のすくい』、『食付きすくい角』、『逃げ角』のJIS規格における定義その他について。
金属部品などの下穴を正確に仕上げると共に、滑らかな仕上げ面を得るために用いるめ穴加工(下穴加工)工具であるリーマの、種類(構造、機能、用途、取付方法などによる分類)リーマの要素、リーマの角度、精度などに関連する用語として、リーマ用語(JIS B 0173)において、”c)リーマの角度”に分類されているリーマ用語には、以下の、『負のすくい』、『食付きすくい角』、『逃げ角』などの用語が定義されています。
リーマ用語(JIS B 0173)
⇒【c)リーマの角度】
分類: リーマ用語 > c)リーマの角度
番号: 3007(3.36.3)
用語: 負のすくい
定義:
軸に垂直な面で、すくい面(※1)と半径方向の線がなす角度が、主運動方向に対して半径方向の線の前になるとき。
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
overcut face
分類: リーマ用語 > c)リーマの角度
番号: 3008
用語: 食付きすくい角
定義:
食付き角(※2)に垂直な面と、食付き切れ刃(※3)のすくい面の傾きを表す角(図11参照)。
図11(食付きすくい角・食付き逃げ角)
量記号(参考):
γo
対応英語(参考):
chamfer rake angle
分類: リーマ用語 > c)リーマの角度
番号: 3009
用語: 逃げ角
定義:
(切削)仕上面に対する逃げ面(※4)の傾きを表す角。
JIS B 0170 参照。
量記号(参考):
α
対応英語(参考):
clearance angle
(※1)
すくい面とは、切れ刃に続く溝面のことです(以下の図4参照)。
図4(すくい面・食付き逃げ面・外周逃げ面・食付き切れ刃・外周切れ刃・ランド・マージン・ヒール・コーナ・溝・溝底の丸み)
(※2)
食付き角とは、軸に対して傾けた食付き部の角のことです。
食付き角が複数からなる場合は先端に近い方から順に第1食付き角、第2食付き角などといいます(以下の図12参照)。
図12(ねじれ角・食付き角)
図12(食付きテーパ)
(※3)
食付き切れ刃とは、食付き部の切れ刃(刃部の構成要素の一つで、すくい面と逃げ面との交線)のことです(以下の図4参照)。
図4(すくい面・食付き逃げ面・外周逃げ面・食付き切れ刃・外周切れ刃・ランド・マージン・ヒール・コーナ・溝・溝底の丸み)
(※4)
逃げ面とは、切削仕上げ面との不必要な接触を避けるために逃した面のことです。
逃げ面が複数からなる場合は、切れ刃に近い方から順に第一逃げ面、第二逃げ面などといいます。
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